2012年8月9日木曜日

認知症を学ぶ会 共催セミナー報告(埼玉)

浦和駅(埼玉県)より徒歩6分の「埼玉会館 小ホール」で開催されました、認知症サプリメント研究会主催セミナーのお手伝いをさせて頂きました。


ご講演は、ためしてガッテン(NHK)にもご出演されている山口 晴保先生(群馬大学大学院)と、牧 陽子先生(群馬大学医学部保健学科)の2本立てでした。

今回のセミナーは、「すぐに活かせる!介護に役立つ!ひとつ上の認知症ケアを目指す人への認知症セミナー」と題し、介護の現場でご活躍されている方々へ向けての内容。

山口先生は「認知症の理解と脳活性化リハビリテーション」と題して、今日から使えるリハビリ方法をご紹介されました。



私が特に印象に残った言葉は「褒める」でした。
医師・セラピストが患者を褒める→褒められて嬉しい→患者が褒めた相手に好感を持つ→褒められた方(医師・セラピスト)も嬉しくなってハッピー!
です。素敵ですよね。

具体的には・・・
古い記憶を比較的維持されている患者さんは、雑巾縫いなどが非常に得意。
施設のスタッフと雑巾縫いをすると、当然先生は患者さんとなり、教えて頂いているスタッフは「すごーい!」と褒める。
役割が逆転する事でBPSD(周辺症状)の低減につなげる。
このような流れによる作業回想法だそうです。

認知症の患者さんではありませんが、褒める事の効果として、片麻痺の患者さんを毎日褒めたことで歩行スピードが有意に改善した実例もご紹介されました。


牧先生は「認知症の行動・心理症状のケアの基本と実践」と題して、脳の話から認知症を理解するという切り口でご講演されました。



認知症の方の気持ちは、当人にしかわかりません。
しかしその気持ちを理解する、理解しようとする事で介護家族や介護従事者は患者さんに寄り添う事ができ、より適切な対応をとる事ができます。
その結果、幸せになれるというお話でした。

従来の認知症セミナーとは異なった、今までにあまり知られていない脳の話から認知症を理解するという切り口の内容で、ご参加された方々から大変興味深いお話を聴く事ができましたとお礼を頂戴しました。

今回のセミナーは、参加者のうち7割の方が介護の現場でご活躍されている専門職の方という事で、より実践的な内容のご講演でしたが、介護家族の方々からも感謝の声を頂戴しました。




今回のセミナーを期に、埼玉の認知症治療は変わっていくと感じました。